「老後は年金以外に収入がなくなる」
このプレッシャーは、50代になると急に現実味を帯びてくる。少しでも配当や利息を手にして、気持ちを楽にしたい。だが、その焦りこそが、人生最大の落とし穴だ。
父が手にした2,000万円と、その行方
私の父の話をしよう。自営業だった父は、引退時に小規模企業共済から2,000万円を受け取った。長年苦労して積み上げた、大切な退職金だ。しかし、リテラシーがないままその大金を手にするとどうなるか。
⚠️ 現実1:利回り0.1%未満の国内債券(1,000万円)
銀行に勧められるがまま購入。3年預けても、年間1万円の利息すらつかない。元本は保証されていても、実質的には「機会損失」という大きな損をしている。
⚠️ 現実2:窓口で勧められた個別株(1,000万円)
「配当がもらえますよ」という巧みな言葉に乗せられ、証券会社の窓口で購入。配当は出ても、売買のたびに高い手数料を引かれることになる。
銀行や証券会社の人間は、決して「騙している」わけではない。ただ、彼らの仕事は「自社が儲かる商品を売ること」だ。リテラシーがない人間は、スーツを着たプロの笑顔の裏にある「コスト」が見えない。彼らにとって、知識のない大金持ちの高齢者ほど「美味しいカモ」はいないのだ。
「銀行員は、あなたの人生に責任を取ってくれない」
田舎に住む両親は、どうしても銀行や郵便局の人を信じすぎてしまう傾向がある。私は、80歳を過ぎた両親に常々こう伝えている。
「私は、1円たりともお金を振り込んでくれなんて絶対に言わない。銀行の人を信じるなとは言わないが、息子の私とどちらが信用できるのか?」
1,000万、2,000万という大金を手にした瞬間、人の金銭感覚は狂う。数百円の節約には熱心なのに、数万円の手数料や数十万円の機会損失には無頓着になる。いや、リテラシーの欠如で、気づくことすらできないのだ。
50代。武器を振るう前に「盾」を固めよ
父のような失敗を繰り返さないために、今、自分で情報を精査し、金融機関の言いなりにならない力を身につけること。それは「武器」というより、自分を守るための最低限の「盾」だ。投資において武器を振り回すより、まず「盾」で防御を固めることが先決である。

リテラシーは、今日、明日で身につくものでは無い。50代の今が、老後へ向けたラストチャンスとなる。銀行員はあなたの人生に責任を取ってくれない。自分の身を守れるのは、自分のリテラシーだけなのだ。
☕ 管理人の独り言
私の父も、銀行の担当者と仲良く話している時が一番安心しているように見えました。でも、その「安心感」こそが最もコストの高い商品だったのです。50代の私たちは、その笑顔の裏側にある数字を読み解く力を、今すぐ身につけなければなりません。


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